ついにこの日がやってきました。昨日から今日にかけてのひと騒動について書きたいと思います。
オクさんは昨日の検診からそのまま入院ということになったのですが、昨日はバルーンで子宮口を広げる処置とやはり子宮口を柔らかくするための点滴をしたのですが、とくに変化なし。赤ちゃんも降りてこず、陣痛などはまだまだ先といった感じでした。自分も朝から付き添っていましたが、夜中にも陣痛があったら連絡くれるよう看護婦さんに伝えてから面会時間ぎりぎりの7時で帰宅。
明けて今日は朝9時から、陣痛室で陣痛促進剤の点滴です。入院している病院は昔ながらの総合病院なので、部屋が狭くお隣ともカーテンで仕切られているだけです。お隣の奥さんは陣痛が来ているらしく、苦しそうな声が聞こえてきます。聞こえてくる話からはご主人だけでなくお母さんも一緒らしく、自分やオクさんがトイレに行くために出るのも、カーテンから背中や足がはみ出しているためひと苦労。お隣の話はさておき、ウチのオクさんはというとまず陣痛促進剤を20ml/hで点滴を始めたのですが、少しずつ増やして3時ごろには120ml/hのペースになっていました。その間、赤ちゃんの心拍数とお腹の張り(≒陣痛の強さ)の数値を見ていたのですが、心拍数は100~130程度・お腹の張りも5~30程度(どのくらいの数値が適当か分かりませんが)で、一向に陣痛らしき強い痛みは来ませんでした。
2時過ぎくらいにオクさんが体の向きを変えたとき、事件は起こりました。突然、横腹が痛み出したのです。看護婦さんに来て貰いましたが、陣痛で痛くなる場所とは違っていたので体勢を変えたのが原因だろうと言われました。しかし、30分ほどしても痛みが続いているようなので、もう一度ナースコールをしたところ何か変だというので今度は担当医さんも含めてエコー診断してくれました。すると、痛みがある場所は胎盤の早期剥離がある場合に痛くなる場所に近いというのです。エコー診断では赤ちゃんも元気で胎盤の剥離も見られないので、そのまま明日ももう一日陣痛促進剤で自然分娩にチャレンジするという道もあったのですが、担当医さんからは赤ちゃんがまだ降りてきていないこと・このまま自然分娩はリスクがあることを説明され、帝王切開にすることを提案されました。
昨日のバルーン処置でも相当痛がっていたことだけでなく、何より結婚以来6年も待ち望んだ子供にリスクを犯させるわけには行かないので、自分もオクさんも同意して急遽帝王切開に変更することになりました。
そこからは早かったです。自分は病室の引越し(普通分娩の場合と帝王切開ではその後の処置が違うので、病室も違うのです)をしオクさんは手術準備を行ない、4時半にはストレッチャーに乗せられ手術室へ向かうオクさんを見送っていました。帝王切開になったため急遽お義母さんに来てもらうことにし、お義母さんが待合室に到着したのが5時過ぎ。
そして忘れもしない午後5時15分、看護婦さんが自分とオクさんの赤ちゃんを連れて手術室から戻ってきました。ほんの数秒の対面でしたが、とにかく元気に産まれてきてくれたこと・オクさんも無事でいることに感謝と感動です! 後で聞いてみると、産まれてきたのは2009年8月13日 午後4時59分、体重は3,132gということです。
その後お腹の洗浄などの処置を終えて病室に戻ってきたオクさんは何だか神々しく見え、自分はありがとうを繰り返していました。自分の子供を産んでくれてありがとう、こんなにも頑張ってくれてありがとう、長い間重いお腹を抱えて仕事もできず大変だったけど頑張って乗り越えてくれてありがとう、妊娠期間中ずっと "つわり" で苦しかったけどそれにも耐えてくれてありがとう、プロポーズのときとも結婚式のときとも違う意味でオクさんが愛おしくてたまりませんでした。オクさんがこんなに頑張って産み出してくれた子供を、オクさんと同じように大切に愛していこうと誓いました。
このもっとも長い一日は、自分にもオクさんにもかけがえのないすばらしい一日になりました。